RAB☆Kブログ

米中は銃弾の飛ばない全面戦争に突入したのではないか


トランプ米政権は、中国からの輸入品に対し3次にわたって高関税をかけ、さらに、最後の第4次発動もためらわない強硬姿勢をみせている。中国による知的財産権侵害に対抗する制裁だとする。中国も報復関税を課す措置に踏み切った。

ぼくは以前、「米中貿易戦争」と呼んだが、共同通信も9月25日朝刊でついに、世界1、2位の経済大国間の「貿易戦争」と書いた。朝日新聞は「貿易紛争」としている。

高関税を課す報復合戦は、それぞれの国民生活に深刻なしわ寄せを生じる。双方がどこまで耐えられるか、チキンレースだ。それでもトランプがためらわないのは、対中貿易赤字の低減より、もっと大きな戦略があるからではないか。

〈トランプ大統領が高関税措置をエスカレートさせている背景には、11月の中間選挙を見据え、対中強硬姿勢が支持層に強く訴えるとみていることがある〉。9月25日の朝日はこう書いた。他の日本のメディアも同様の見方だが、あまりに皮相な読みで、ことはそんな目先の話だけではないのではないか。

1983年にレーガン米大統領が打ち出したSDI(戦略防衛構想)を思い出す。通称「スターウォーズ計画」と呼ばれた。衛星軌道上にミサイル衛星やレーザー衛星、早期警戒衛星などを配備し、地上の迎撃システムと連携して、ソ連の大陸間弾道ミサイルを撃墜し「核兵器を時代遅れにする」するという壮大な計画だった。

内外の批判も強かったが、レーガン政権は毅然として計画を進めた。SDIが最終的に冷戦を終結させ、それにつづくソ連崩壊をもたらしたとの見方は少なくない。

中国は巨大な対米貿易黒字だけでなく、情報戦争も大々的に仕掛けている。朝日によれば、中国の対外宣伝費はじつに年間2兆円を超える。「アメリカをふたたび偉大な国にする」と叫ぶトランプは、その覇権を脅かす中国を敵視する。

中国の膨張主義の源泉である経済に甚大なダメージを与え、ひいては赤い共産主義王朝を崩壊させることが究極の目標ではないか。SDIが「人類の歴史の流れを変えた」と言われるように、トランプは貿易戦争で中国経済を疲弊させ、第二のSDIを狙っているように思える。「肉を切らせて骨を断つ」戦略だ。

時事通信によると、米メディアのアクシオスは9月23日、トランプ政権が中国によるサイバー攻撃を通じた米国の選挙介入や知的財産権侵害などを非難する大規模な反中キャンペーンを展開する計画だと報じた。それには、ホワイトハウスのほか、財務省、商務省、国防総省が参画するという。

トランプの共和党だけでなく民主党の議員らも超党派で「反中」戦略に加わっている、との報道もある。日本のメディアは、もっと事態を俯瞰し歴史の視点も入れてみなければ読み誤ってしまう。


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