RAB☆Kブログ

二羽のチキンが罵り合ってる


〈トランプ大統領が振り下ろした制裁は中国だけでなく米国にも跳ね返り、チキンレースの代償は大きい〉――5月11日の朝日新聞はこう書いた。米中が貿易戦争で角を突き合わせて以来、朝日がチキンレースという言葉を使ったのは初めてだ。記事データベースで確認した。

トランプは5月10日、対中制裁関税「第3弾」を発動し、5700超輸入品目の税率を10%から25%に引き上げた。さらに翌日、「第4弾」の発動に向けた手続きに着手した。

ぼくは、米中衝突が起きてからすぐ、これはもう経済大国1位と2位の「戦争がはじまった」と思った。さらに、昨年10月4日、ペンス米副大統領が中国への“宣戦布告”としか思えない演説をおこなった。それでもまだ、日米のメディアは「貿易摩擦」などとピンボケの表現を使っていた。

ぼくは、昨秋、山岡鉄秀さんと月刊WiLL12月号で対談した。その際、米ソ冷戦時代にレーガン米大統領(当時)がSDIいわゆる「スターウォーズ計画」を策定したことを話した。ソ連の戦略核ミサイルを宇宙空間で阻止するという軍拡競争にソ連が音を上げ、ついにはソ連崩壊につながった。

〈トランプも「第二次スターウォーズ計画」を展開して、中国と我慢比べをするつもりなのかもしれません。私は、それを「米中チキンレース」と呼んでいます〉

米中はすでに経済とサイバーの戦争をしており、宇宙でもつばぜり合いを演じている。しかし、特に日本のメディアは、エセ平和主義に毒されているから、すでに戦争がはじまっていても、自分の脳みその限界を超えることなので、本質がみえない。チキンレースという言葉も、当初は誰も使ってはいなかった。

関税引き上げ合戦は、双方の消費者や農家に打撃を与える。それでもトランプはやる気なのだ。トランプの選挙対策本部長から大統領首席戦略官を務めたバノンは、月刊Hanada5月号でこう語っている。「これは貿易についての交渉ではありません」

そして、国家資本主義システムと産業民主主義諸国のシステムがせめぎ合っている、と解説する。「国家資本主義」という言葉も、ぼくは誰も言わないころから使ってきた。ヒトラーの国家社会主義(ナチズム)が国家主義と社会主義をミックスしたものだったように、中国がやっているのは、国家主義と資本主義のチャンポンだとしか思えないからだ。その見方は、当たっていたようだ。

米中チキンレースが激化すれば、世界経済に大打撃を与える。でも、日本にとっては必ずしも悪いことではないと思う。安倍首相は「リーマンショック級の事態だ」として10月の消費税増税を延期し、それを大義名分に衆参同日選の大勝負に打って出ればいい。災い転じて福となせる。


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