RAB☆Kブログ

第四の権力=メディアの怖さ


いわゆる「ロシア疑惑」は、2016年の米大統領選で、民主党のヒラリー・クリントン候補を落とそうと、共和党のトランプ陣営がロシア政府と共謀したかどうかが核心だった。今月、マラー特別検察官は、「共謀を裏づける証拠はなかった」と報告書で明らかにした。

これをめぐり、4月21日の朝日新聞『天声人語』がこんなことを書いている。〈(トランプ側による)捜査妨害の疑惑は10件に達する。潔白であるならば必要のない行為ではないか〉

一見、正論にみえるかもしれない。だが、実はとんでもない意味が内包されている。トランプ氏が、マラー特別検察官を解任しようとし、それが無理なら捜査を縮小させようとした、と報告書では確かに指摘し「潔白とは言えない」とした。

トランプという人は超大国トップとしてどうかとも思うが、この「捜査妨害」論は額面通りに受け取っていいのだろうか。彼が、身に覚えのないことで、露骨に民主党寄りのニューヨーク・タイムズやCNNテレビなどに追及され、「このままでは大統領の座を明け渡すことになる」と大統領権限を行使しようとしただけだ。――こう擁護する声はアメリカ国内でかなり強い。

日本のメディアはそれを伝えないが・・・。ぼくも若いころ司法記者をしていたことがあり、その経験から言って、トランプ擁護の声には一理あると思う。

日米など報道の自由が非常に尊重される国では、メディアが検察とタッグを組み権力者を恣意的に引きずり下ろすケースがまれにある。古くはロッキード疑獄だ。田中角栄首相がやり玉にあげられたが、碩学として知られた故・渡部昇一先生は、徹底して角栄を擁護した。

最近では、モリ・カケ騒ぎがある。森友学園の件では、財務省近畿財務局が大阪府豊中市の「国有地を不当に安く払い下げた」ことが疑惑の核心とされ、朝日が煽り野党が安倍首相夫妻を追及した。だが、払い下げの対象となった豊中市の国有地は実は3つあり、なかでも森友へは「断トツで値引き率が低く、高く売った」。その事実を、朝日などは無視した。ネットでは「報道しない自由を行使した」と揶揄された。この一点だけでも、疑惑の核心は崩壊する。

加計学園の件では、愛媛県の現地を徹底取材した朝日OBの著名なジャーナリスト長谷川熙さん(85)が『偽りの報道 冤罪「モリ・カケ」事件と朝日新聞』(ワック)を上梓した。ある雑誌の対談で会ったとき、彼はぼくに「朝日があんなひどい報道をして、申し訳ない」と謝った。ぼくは答えに窮し、別にぼくが全ジャーナリストを代表しているわけじゃないですから、とだけ言った。生真面目な彼は、事実をゆがめる古巣の朝日を恥ずかしいと思っていた。

モリ・カケ騒ぎで安倍政権の支持率はぐっと落ちたが、ネットのアンケート調査などでは7割から8割超が支持した。「ネットがなかったら、安倍政権は朝日に倒されていた」という見方が強い。

フェイクニュースでも、場合によっては、時の権力者を引きずり下ろすことが可能なのだ。ロシア疑惑やモリ・カケ騒ぎは、一面で、立法・行政・司法の三権を凌駕する「第四の権力=メディア」の怖さを物語っている。


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