RAB☆Kブログ

あるナイーブな政治家の悲哀


道徳再武装(Moral Re-Armament、略称MRA)という言葉がある。キリスト教に端を発し、あらゆる宗教や社会的背景に属する人びとによって構成される非政府の国際ネットワークで、国際的な道徳と精神を標榜する運動だ。

そのMRAで活躍していたころの藤田幸久さんに、東京で1、2度会ったことがある。ぼくより3歳上で、政治家になるような感じは全然なかった。だが、1996年、当時の民主党に入党し、総選挙に比例東京ブロック単独で出馬して初当選し、二期務めた。

メディアでちらほら名前を見かけることはあったものの、どうしているのかよく知らなかった。WiLL4月号でジャーナリスト氷川貴之さんが、その後の消息を書いている。

藤田さんは参院に鞍替えし、今夏の参院選で国民民主党の茨城選挙区の公認候補となっていた。だが、1月末、離党して立憲民主党に入った。

「これは立憲からの宣戦布告だ。こっちは野党をまとめようと自由党と組んだのに、こうなったら全面戦争だ。フジタ、ふざけるな!」。国民の桜井充参議院議員が、国会議事堂の廊下でこう声を荒げたそうだ。

茨城選挙区は無風区だったが、立憲の枝野幸男代表が“国民潰し”を狙い独自候補者を立てようとした。そうなれば、地盤も知名度もない藤田さんは吹き飛ばされる。あわてて立憲の福山哲郎幹事長に面会を求め「国民は離党して立憲に入党したい」と嘆願した。

1月24日、福山幹事長から「今日中に入党届を出すなら立憲への入党を認めます」と電話があった。インフルエンザで自宅療養していた藤田さんは、あわてて入党届を出しに行った。

しかし、国民は離党届を「無効」として受理せず、藤田さんは宙ぶらりんになってしまった。立憲の枝野代表は「藤田が入党しても茨城選挙区で公認するつもりはない」と切って捨てた。立憲が参院で頭数を確保し野党第一会派になってメディアに露出できれば、それで良かったのだ。

枝野代表は、日ごろから「次の参院選、敵は自民党ではない。目的は国民を完全に潰すことだ」と公言していた。2017年衆院選で小池都知事率いる希望の党から排除された面々で作ったのが立憲であり、枝野代表らは国民を蛇蝎のごとく嫌っているそうだ。

2月7日の参院本会議で、藤田さんは国民の席にうつむき加減で座っていたという。彼は、永田町で生き抜くにはナイーブ過ぎるように思う。

氷川さんの寄稿のタイトルはこうだ。「野党の醜い争いが支える安倍一強」


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