RAB☆Kブログ

ポスト平成時代の大きな課題


平成時代、日本の社会に最も良い影響を与えた政治的出来事は何か。それは、1992年に成立した「国連平和維持活動(PKO)協力法成立」だった。読売新聞がこの秋に実施した、平成時代に関する全国世論調査(対象3000人)のやや意外な結果がそれだった。31%が「良い影響を与えた」とし、「悪い影響を与えた」と答えたのは3%だった。

PKO協力法をめぐっては、激しい議論が巻き起こった。当時の野党だった社会党と共産党は、参議院特別委員会の記名投票で、わざと遅く歩いて採決を長引かせる「牛歩戦術」を展開した。

朝日新聞も「日本は戦後一貫して、軍事的な国際行動には加わらないことを国是としてきた。もちろん、憲法9条があればこそである」(6月10日の社説)と、護憲の立場から大反対キャンペーンを張った。

これに対し、読売新聞は〈「PKO」を整然と成立させよ〉(6月12日の社説見出し)と賛成の論陣を張った。

当時、国論はまさに二分されていた。その後、自衛隊は粛々とPKO活動をつづけ、いまでは国民の理解と支持を得ていることが、この世論調査で明らかとなった。あの「牛歩戦術」を知っている世代には隔世の感がある。反対・賛成どちらのメディア論調が「歴史の試練」に耐えたかという点でも、平成が終わろうとするいま、とりあえず決着がついた。

一方で、PKO協力法には9条との関係で「参加5原則」という縛りがある。それは、2015年の安保法制成立で若干緩められたが、依然として9条が“足かせ”になっていることに変わりはない。

また、これまで自衛隊員に犠牲者が出なかったのは、綱渡りの幸運でもあった。もし犠牲者が出れば、世論が一気に変わる可能性もある。日本社会はまだ“平和ぼけ”から脱しておらず、国民は「平和のためには、時に犠牲も必要である」という国際社会のきびしい現実を本当には受け止めていない。

自動車や電車がなければわれわれの生活も経済も成り立たないが、交通事故による犠牲者が一定数出るのは避けられない。「犠牲者をゼロにするため、車も電車もなくせ」というのは、さすがにわが国でも暴言、妄言とされるだろう。

同様に、武器による犠牲者も残念ながらある程度は避けられない。武器をゼロにすることは不可能であり、「武力による平和」の維持や創設ということはあり得る。それを真に理解するのが、ポスト平成時代における日本国民の大きな課題となる。これは、9条をどうするかという問題に直結する。

なお、平成時代に最も悪い影響を与えた政治的出来事とされたのは、2009年の自民党から民主党への政権交代だった。


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