RAB☆Kブログ

朝日社説の空理空論


新聞界には「大展開」という言葉がある。あるテーマの記事を1面トップにするだけでなく、中の複数の面にも載せ、さらに社説で書くという意味だ。朝日新聞はそれがお得意だ。モリ・カケ騒ぎのときは、それを盛んにやっていた。

昨日19日の朝刊で、久しぶりにそのお家芸を披露した。安倍政権が「防衛大綱」を閣議決定し、防衛費が過去最大水準になったことを批判的に伝える記事群だ。とくに海自最大の護衛艦「いずも」が事実上の「空母」となることに噛みついていた。

防衛費は相対的なもので、近隣国が軍拡をすれば、ある程度それに対抗せざるを得ない。その当たり前のことを朝日は立場上、認められないのだ。社説はこう書いている。〈これまで抑制してきた自衛隊の打撃力を拡大する。こうした防衛政策の転換をさらに推し進めれば、不毛な軍拡競争に道を開きかねない〉。不毛な軍拡をしているのは中国のほうではないか。

朝日はどの新聞よりも、安全保障問題を詳しく報道する。いつも思うのだが、そうした記事の3分の2以上は、いかに中国が国防費を増大させ、海自や空自が領海、領空を守るために努力しているかなど真っ当な内容だ。

では、論理的に言って「中国や北朝鮮に対抗するためには、憲法9条を改正し十分な軍事力を整備する必要がある」という結論になるはずだ。でも、そうは書けないから空理空論で記事を締めるしかなくなる。

昨日の社説もこう締めくくられていた。〈軍事に過度に頼ることなく、外交努力を通じて緊張を緩和し、地域の安定を保つ――。いま必要なのは、総合的な安全保障戦略にほかならない〉

こういう社説を書かざるを得ない論説委員もさぞ空しく思っているだろうな、と推察する。朝日は、戦後、国民の軍事アレルギーを煽って部数を伸ばしてきた。いまさら、そのエセ平和主義を離れ現実に即した論調は打ち出せず、自縄自縛になっている。それは、満州事変のころ以降、国民の戦意をさんざん煽り自縄自縛に陥って国が破滅するまで後戻りができなくなった過去と構図はおなじだ。

読売新聞は、昨日の社説でむしろ安倍政権の尻を叩いていた。〈「攻撃型空母は保有できない」という過去の見解に必要以上にとらわれるのは、生産的とは言えない。政府は、いずもの柔軟な運用を検討すべきだろう〉

両紙の戦後の社説31本を比較した『読売vs朝日 社説対決50年』という本がある。それに載った社説をぼくなりに判定すると、読売29勝、朝日0勝、引き分け2となった。国連PKO派遣など重要テーマのすべてで、朝日の論調は歴史に耐えなかった。

朝日の言う「外交努力」でことが解決するなら、誰も苦労はしない。


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