RAB☆Kブログ

文化庁にもの申したい


文化庁は、大量の書籍をスキャンして電子化し、全文を対象に利用者が検索できるなど、著作権法を改正する方針を固めたそうだ。

「著作権者に不利益がほとんど生じないよう留意しつつ、著作物の電子化や配信を許諾なしにできる範囲を広げる」(朝日新聞デジタル)というのだが、ほんとに不利益は出ないのか。

 書籍の全文検索サービスを最初にはじめたのは米グーグルで、各国の書籍を電子化し、利用者が検索した単語が含まれている本文の数行を読めるようにした。これに対し、日本ペンクラブなどが反発し、現在、グーグルは日本の書籍の大半については本文を読めないようにしている。

 日本の著作権法では、書籍のスキャンは、個人が家庭内で楽しむ範囲では自由だが、企業がする場合は小説家ら著作権者の許諾が必要だ。利用者が読めるように書籍の数行分をネット経由で送信するのも、著作権者の許諾が必要だ。

 朝日新聞デジタルによれば、文化庁の有識者ワーキングチームは、こうした新検索サービスでは著作権者の権利を弱め、許諾を不要とするかどうかを検討してきた。その結果、本の売れ行きなど本来の市場への影響はないと推定される一方、新サービスが新たな情報を提供する社会的意義があると判断した。

これにより、本の数行だけ読んで、その個所を論文などに引用することが、簡単にできるようになる。でも、それでいいのだろうか。ぼくはいま執筆中の作品を書くために、膨大な参考文献のほとんど全文を読んで、著者の意図からずれないよう細心の注意を払って引用している。

電子化によって、そういう慎重な作業がはぶかれることになれば、元の作品の文脈と関係のない引用が行なわれる危険性があるのではないか。引用個所だけがひとり歩きし、著者の作品そのものへの誤解が生じかねない気がしてならない。


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