=イラのクリスマス=
出雲フォト日記Ⅱ | 2020年12月26日
向日葵や信長の首切り落とす
(ひまわりや のぶながのくび きりおとす)
珍魚イラの頭を真空パックで冷凍しておいたのを解凍し、角川春樹氏30代ころの一句を思い出した。俳人協会新人賞、文部大臣新人賞を受賞した作品だ。
TBS系『プレバト』の夏井いつき先生は、正岡子規の弟子のようなものだから、「写生」句を重視する。その対極にあるのが春樹の句風だ。〈「言葉」を「言霊」として復活させる〉と絶賛するひともいる。
受賞作は、向日葵でも信長でもなく、制御不能な自己を詠んだものと解釈されている。
イラは逆三角形のような魚で、頭がやたら大きく骨も硬く太い。たたっ切るのが大変だった。先日、刺身にさばき海鮮中華サラダとして食べたとき、白身としてはぼくの食べたもので過去最高だと思った。
その巨大な頭を、K余さんが手間をかけてかぶと煮にしてくれた。一般に、煮魚は目のまわりがとろっとして一番うまい。イラは、目だけでなく頭部の表面全体にコラーゲンがたっぷりついている。これも初めての体験だった。
カマの部分だけでもすごい肉厚で、イラだけでお腹が一杯になった。なぜかそれが、わが家のクリスマスディナーのメイン料理だった。
みなさま、よいお年をお迎えください‼