シラケ世代の大宰相&大ミュージシャン
地球つれづれ草紙 | 2020年9月6日
〈(安倍首相辞任の)会見を見ていて泣いた。安倍夫妻とは仲良し。同じ価値観を持っている〉。数日前、ユーミンがラジオでこう発言した。
すると、私大講師(43)が、Facebookにひどい投稿をした。〈荒井由実のまま夭折すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいいと思いますよ。ご本人の名誉のために〉
抗議がいまも殺到している。当然だ。論評する氣にもなれない。この御仁は、朝日新聞に〈安倍政権の7年半余りとは、日本史上の汚点である〉と寄稿し、朝日イズムを代弁していた。
宮崎駿さんなど超一流クリエーターには、“平和ぼけ”したドリーマーが少なくない。憲法9条のおかげで日本の平和が保たれてきた。そんな虚妄を吹き込まれ、GHQや朝日にすっかりマインド・コントロールされている。
安倍夫妻と〈同じ価値観〉というユーミンの言葉は少し意外で、我が意を得たりの思いだった。
ぼくが大学のゼミに所属したとき、4学年上の女子学生と“同級”になった。70年安保闘争の生き残りだ。機動隊に頭をかち割られその傷跡を長髪で隠している、という噂だった。頭はいいが、思い込みがはげしかった。
ぼくたちは、その下の世代だった。反戦とか反体制とかといった闘うものを喪失した世代だ。思えば、安倍晋三さんもユーミンも、ぼくより一つ下で同世代だ。
安倍さんは著書『美しい国へ』で、こう述懐している。
〈団塊と新人類にはさまれた、どちらかというと影の薄い世代で、後年「シラケ世代」などと呼ばれることがあった〉
1950から65年の間に生まれた者をシラケ世代と定義する人もいる。日本の学生運動が沈静化したのちの、政治的に無関心な世代とされる。無気力、無関心、何に対しても熱くなりきれず傍観者のように振る舞う、と言われた。
でも、安倍さんがシラケていたか、ユーミンがシラケていたか。ほんとの意味で、闘ってきたのではないか。その相手は、たとえば、戦後を支配した左派イデオロギーだった。
ベトナム戦争反対や日米安保条約改定反対を叫んで体を張った世代は、一見、かっこよかった。が、彼らが何かを成し遂げたか、いま彼らは何をしているか。
エセ平和主義に洗脳されることもなく、現実をじっくり見て、静かに熱く日本を変えようとしてきたのは、じつはシラケ世代だったのではないか。
*参考文献に拙著『「反日」という病 GHQ・メディアによる日本人洗脳(マインド・コントロール)を解く』(幻冬舎、2018年)
昨日安来で拉致被害者の集会があり50名の参加者がありました。最後に挨拶したのですが、安倍首相の退陣について拉致被害者を救出できなかった、憲法改正もできなかったと批判する意見をきいているうちに、中島みゆきの ファイト という歌の歌詞が思いうかびました。たたかう君のうたを闘わない奴等がわらうだろう、という歌詞です。傍観者はなんとでも言う。余りにも安倍首相にまかせきりにしていたのではないか、これからは各自が安倍首相に替わってたたかわなけばならない、と言う意味のことを話しました。朝日的なものからの解放を訴え続けたいものです。