SNS全盛時代に増殖した依存症
地球つれづれ草紙 | 2020年5月22日
日本には、リベラルを自称する人びとがいる。たとえば、朝日新聞など左派メディア、政党でいえば立憲、共産、社民などだ。
ぼくは前から、この人たちはエセ・リベラルだと思ってきた。その見方を補強(?)する本があった。脳科学者・中野信子さんの『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム、2020年)だ。こんな解説がある。
〈保守の人は安全志向で、自分が得てきたこれまでの成功体験を信頼し、そこから大きく外れることなく生きる方がより賢い(安全だ)と考えています〉
〈リベラルの人たちは、すでに存在している確実なパラダイムに対して、常により新しい別の選択肢がないかを考え続け、ロジックを更新していこうとします。そして、そうした行為自体が人間としてあるべき正しい姿だと考える傾向が強いと言えます〉
この定義にしたがえば、エセ・リベラル派はいわゆる平和憲法の一言一句を墨守する戦後の成功体験にすがっているから保守の人であり、パラダイム(ある時代に支配的な物の考え方)はいまの時代にそぐわなくなっているから憲法を改正すべきだ、とする人たちはリベラルということになる。
もっとも、中野さんはアメリカの共和党と民主党には言及しても、日本の政治には触れていないが。
この本は「正義中毒」(著者の造語)をテーマとしている。独善的な正義感から他人を批判し叩く人びとを、脳科学・心理学の立場から依存症だと診る。叩くことで、脳内に快楽物質ドーパミンが分泌されるそうだ。
例として、あの清純派タレントが不倫でさんざん叩かれたケースなどが挙げられる。SNS全盛時代に増殖した依存症で誰でも陥る恐れがあるという。
中野さんによると、脳は30歳ごろをピークに衰えをみせる。それを予防するには脳の前頭前野を働かせる余裕を作っていくことが大切だそうだ。ぼくがFacebookにときおり「インコース高め」の投稿をするのも、それが目的のひとつと言える。
ひょっとしたら、エセ・リベラルを批判するぼくも正義中毒かもしれないww。